良く本の帯に
「女性らしい瑞々しい文章」とか
「瑞々しい文体で綴られた物語」とか
書かれていたりしませんか
瑞々しい文章っていったいどんな文章のことなのか
気になるので集めたいとおもいます
思いつきでやってしまったため情報ソースがネットばかりです(本の話なのに!)
すみません
ほんとは本の帯に書かれた「瑞々しい」から集めるというのもやりたいのですが…
(本の帯をアーカイブしたサイト「honoby」もあるようです!)
先に…辞書で引いておこう
みずみず し・い みづみづ- [5] 【瑞▼ 瑞▼しい・水水しい】
(形) [文] シク みづみづ・し
1
つやがあって若々しい。つやつやと輝いている。 「 - ・い若葉」
2
若々しく新鮮である。 「 - ・い感覚に満ちた詩」
ようは若々しいということのようですね!
なるほど!
念のため「文体」と「文章」も定義しておきます
ぶん‐しょう〔‐シヤウ〕【文章】
1
文を連ねて、まとまった思想・感情を表現したもの。主に詩に対して、散文をいう。
2
文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。
3
威儀・容儀・文辞などとして、内にある徳の外面に現れたもの。
ぶん‐たい【文体】
1
文章の様式。口語体・文語体・和文体・漢文体・書簡体・論文体など。
2
その作者にみられる特有な文章表現上の特色。
作者の思想・個性が文章の語句・語法・修辞などに現れて、一つの特徴・傾向となっているもの。スタイル。
今回は文章より文体という言葉を使ったほうが正確なので 以下 文体で統一します
文体の中でも今回は2の「文章表現上の特色」です
比喩やレトリックや使用される用語に一定の共通項はないのか
いやぁ 見つけちゃったらいつでも瑞々しい文体書き放題ですね
たのしみです
瑞々しいと言っている側
瑞々しいと言っている側はどこを見て瑞々しいと言っているのか
amazonのカスタマーレビューで「瑞々しい」をキーワード検索してみます
「瑞々しくて新鮮な恋愛・青春小説」
若合 春侑 「無花果日誌」
「夫人の率直で瑞々しい感性で綴られている」
小林 千恵子 「ひこうぐも―撃墜王・小林照彦陸軍少佐の航跡」
「キャンパスライフが瑞々しく描かれていて、それだけでも十分楽しい」
竹宮 ゆゆこ 「ゴールデンタイム〈3〉仮面舞踏会」
「モーパッサンの感性豊かな瑞々しい文章」
ギィド・モーパッサン 「ロックの娘」
「カリフォルニア料理の内容がとても瑞々しく美味しそう」
マイケル クローネン 「キッチン日記―J.クリシュナムルティとの1001回のランチ」
「題材も素晴らしく、辻さんの日本語と相俟って、優しく、瑞々しい香りがします」
辻 邦生 「生きて愛するために」
「サリンジャーの瑞々しい感性にあふれた、粒ぞろいの短編集だ」
J.D.サリンジャー 「サリンジャー選集(3) 倒錯の森〈短編集2〉」
「ヒヤリとするような瑞々しさを保持しています。」
村上 春樹 「ノルウェイの森」
「霧のように溶けてしまう情景と感情を瑞々しい表現で紡いでいます」
宮本 佐紀 「そうして雨に朽ちながら」
「ハッとするぐらい瑞々しく描かれている」
米原 万里 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」
「一生懸命にやった22歳の感性が瑞々しく感じられました」
いとうあゆみ 「お遍路小娘」
「初期の谷川俊太郎さんの透明感溢れる柔らかく瑞々しい言葉達が、全編に散りばめられています」
谷川 俊太郎 「二十億光年の孤独」
「少年から青年への瑞々しい心の描写と構成のよさに読書の楽しみを味わいました」
松田 悠八 「円空流し」
共通項
- 性別で言えば女性を褒めることが多い
- 登場人物と著者の両方に見られる
- 「感性」を装飾していることが多い
- 若い時代を題材にした本について使われることが多い
所感
- 若さのなかでも儚さを伴うように用いると効果的っぽい
- 内容が若い時期であることに対して「瑞々しい」と言っている場合がほとんど
- 「瑞々しい文体で」とレビューでは書いているが文体ではなく題材が若いのではないか
総合すると瑞々しいは少女に集約する!!!
(な なんだってーーー!!)
「瑞々しい」と「感性」の相性の良さ
かん‐せい【感性】
1
物事を心に深く感じ取る働き。感受性。「―が鋭い」「豊かな―」
2
外界からの刺激を受け止める感覚的能力。
カント哲学では、理性・悟性から区別され、外界から触発されるものを受け止めて悟性に認識の材料を与える能力。
ちょっとした出来事で強く揺さぶられるナイーブな若い感性
年を経てひとは老獪になり動じないこと山の如し
おそらくこのような若さと感性の関係が刷り込まれているのだろう
そのため瑞々しいと使うときには感性に触れることが多くなるのではないだろうか
いろんな瑞々しい
検索してみるとどんな文体が瑞々しいか考えている人は他にもいた
- 瑞々しい感性で書かれた文章
つまり日常の些細な出来事にセンシティブな様子を描けば瑞々しいと思わせることが可能
- 若くて粗削りな印象が瑞々しい
わたしは若さの要素のなかでも水のようなピュアさや綺麗さをイメージしていたので意外だった
- 表現や文体も、みずみずしい初発の文学的感性の欠落
若さゆえの不完全さが瑞々しさを感じさせるのだろうか
すこし荒削りと似通ったところがあるように思う
某智恵袋でも「瑞々しい文体ってどんなのですか?」という質問がありました
ちなみにベストアンサー
「文体はあまり関係ない。重要なのは内容が若々しく新鮮であること」
悔しい
たしかにレビューを集めた印象だと本当に文体に瑞々しさを感じているひとは少なく
題材次第ということになる
比喩や表現自体に瑞々しさはないのか
瑞々しいと言われた文体を集めるのに苦戦しているのでそれは次回