2016/02/15

倒れていない人




禁止事項っていうのはあまり好かないけど、「大丈夫?」と不用意に聞かないようにしている。
(言われるのはとくに気にしていない)

「大丈夫?」って聞かれると「大丈夫」と答えてしまうと思う。

これ、倒れている人に声をかける救護のコツとして教わった。
「痛いところないですか」とか「身体動かせますか」とか「わたしの声が聞こえますか」とか。
具体的に答えられるように聞かないと具合がつかめない、という話。

たぶん倒れていない人でも一緒だと思う。

だから、寝れているかとか、ごはんがおいしく食べれているかとか、好きなことをいつものように楽しめているかとか。
そういうふうに話をする。
聞かれて「そういえば」って自身の異変に気がついて、調子を戻すきっかけになってくれるといい。


不安なばっかりに口うるさくならないように気をつける。
普通、正しさ、そういう尺度で話さない。本人がそのギャップにいちばん苦しんでいるだろうから。
こちらから「苦しそう」とか「辛そう」とか言い出さない、言ったらそう思いこませてしまう気がする。

相手が苦しいときに直接できることがないのは歯痒いし無力感でひどい気分になるけど、それはこちらの事情で、その解消のために「大丈夫?」と聞くのはちょっとちがう。
それに「大丈夫」という返事ではこの類の不安はどうせ消えない。

根本を解決するしかないけどその解決はわたしの管轄下にないから、ゆだねるしかない。
わたしには何ができるだろう。なにもできないんだよなあ!アハハ!


とにかく話をする。
ほんとはただ傍にいれたらいいのにと思う。