2014/12/12

【2014年】今年読んだ本ラウンダップ


2013年の1月頃からじわじわと利用していましたが
今年は空前の図書館ブームがおこり月2程度で通いました

何を借りたのか忘れそうなのでまとめておこうとおもいます



1月


形態デザイン講義内藤 廣
ひとの居場所をつくる ランドスケープデザイナー田瀬理夫さんの話をつうじて西村 佳哲
年の残り丸谷 才一
質屋の女房安岡 章太郎


丸谷才一に夢中になって借りまくっていた頃です
「質屋の女房」はパラパラっと読んで返してしまった

内藤廣の「形態デザイン講義」がおもしろすぎてシリーズを漁りはじめる



2月


レトリック感覚佐藤 信夫
環境デザイン講義内藤 廣
有本葉子の魚料理有元 葉子
春にして君を離れアガサ・クリスティー
レトリック認識佐藤 信夫
構造デザイン講義内藤 廣
世界史概観 上H.G.ウェルズ
マスタードをお取りねがえますか西川 治
ふだんのおかず12か月有元 葉子


内藤廣の「講義シリーズ」を読みおえて5月には氏の設計した宿泊施設に泊まった
感慨深いものがあった…

「レトリック感覚」「レトリック認識」の2冊がすごくおもしろかった
感想もブログで書いている(1,2)が 読み返すと読みにくくて自分でも読めない
もっと簡潔に魅力を伝えられるようになれるといいのだけど…



3月


写真で分かる盆栽づくり時崎 厚
サルビア給食室のおいしい燻製レシピワタナベマキ
2666ロベルト ボラーニョ
日本文化における時間と空間加藤 周一
波紋と螺旋とフィボナッチ近藤 滋
夜中にジャムを煮る平松 洋子
草もの盆栽入門西山 伊三郎


友人からオススメしてもらった「夜中にジャムを煮る」が良かった
タイトルが少女趣味っぽくて本を開くまではムズ痒かったがすごく良かった

なんとなく借りた「2666」がむちゃ分厚くてびっくりした
まったく読み切れなかったけど時間のあるときにじっくり読みたい



4月


男性論 ECCE HOMOヤマザキ マリ
盆栽/木々の私生活アレハンドロ サンブラ
きらめくジャンクフード野中 柊
文書読本丸谷 才一
芸術闘争論村上 隆
建築と植物五十嵐 太郎


個人的に2014年最高はアレハンドロ サンブラの「盆栽/木々の私生活」です
良さがうまく表現できないのですが…
スタイリッシュなスペイン語小説に魅せられました

「芸術闘争論」は村上隆を好きになったきっかけ
あらためて読みなおしました
彼の意外にも勉強家で謙虚なところは見習いたい(口はちょっと悪いけど)



5月


間取り百年吉田 桂二
すばらしき特殊特許の世界稲森 謙太郎
昭和ことば辞典大平 一枝 , 伊藤ハムスター


「間取り百年」がめちゃおもしろかったんです
歴史や風習を含めて民家の変遷を知ることができます
間取りという言葉への愛とプライドを感じることのできる良本です

レトロつながりな「昭和ことば辞典」も良かった
口に出したくなる言葉ばかりです

「すばらしき特殊特許の世界」はAKBをなぜだか褒め称えているところでつまらなくなりほとんど読んでいない



7月


小津安二郎の食卓貴田 庄
われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る米長 邦雄
時間のデザイン早稲田大学渡辺仁史研究室時間‐空間研究会
スキマの植物図鑑塚谷 裕一
ローメンテナンスでつくる緑の空間井上 洋司
散歩もの谷口 ジロー , 久住 昌之
サルなりに思い出す事などロバート・M・サポルスキー


「スキマの植物図鑑」は良すぎて買いました
植物を見る目がかわります

「われ敗れたり」は期待どおりのおもしろさ
やっぱり米長棋士はぶっとんでいます

ぶっとびっぷりでいえば「サルなりに思い出す事など」もすごかったけど 時間が足りず読み切れていない

「時間のデザイン」の内容はよかったのだけどアタマが悪いせいか理解できないグラフ類が多かった
雰囲気だけ「ふーん」となってしまったところがあった



8月


料理 高山なおみ高山 なおみ
雨の建築学日本建築学会
雑草と楽しむ庭づくりひきちガーデンサービス
新農民になろう! 就農計画の設計と実例伊藤 裕樹
カヤツリグサ科ハンドブック勝山 輝男 , 北川 淑子
庭木の自然風剪定峰岸 正樹
自然素材の編みかごづくり佐々木 麗子
生きられた家多木 浩二
虫といっしょに庭づくりひきちガーデンサービス


「カヤツリグサ科ハンドブック」はかなりレベルが高かった…
植物の部位の名称がむずかしくてついていけなかった…

「雑草と楽しむ庭づくり」もおもしろかった
理解あるクライアントがいるならば雑草だけでレイアウトした庭をつくってみたい
自生する植物でやるから失敗しにくい気がするのですがどうですか

将来 縁があったら アボカド農家やりたいですね…

「自然素材の編みかごづくり」を読んでカゴつくったのたのしかった

「庭木の自然風剪定」はとても勉強になった
仕事でも従来の刈込剪定より自然風剪定を知っていたほうが役に立つ
体系的な知識を得られてよかった



9月


昨晩のカレー、明日のパン木皿 泉
藤森照信の茶室学藤森 照信
ケーキの歴史物語ニコラ ハンブル , 堤 理華
センスは知識からはじまる水野 学
屋根伊藤 ていじ
書体を読む七種 泰史
カレーの教科書水野 仁輔


「昨晩のカレー、明日のパン」はドラマ化されると知って読んでみた
泣き所もキチっとあってドラマ化しやすそう

「センスは知識からはじまる」ではぼんやりした存在のセンスをちゃんと理論立てて説明していきます
「わたしセンスがないから」は「勉強する努力を怠っています」でしかないと知りました…

歴史家が記録と記録から物語を見つけることに感動した「藤森照信の茶室学」
歴史にずーっと苦手意識があるけどこういうことできるのならたのしそうだなぁ…



10月


47都道府県の純喫茶山之内 遼
匠たちの名旅館稲葉 なおと
ガーデニング花木入門NHK趣味の園芸
やきとり 11店の技術と串バリエーション柴田書店
街を変える小さな店柴田書店
大人のための恐竜学柴田書店
小さな風景からの学び柴田書店
貴様いつまで女子でいるつもりだ問題ジェーン・スー
読む餃子パラダイス山本


すごくすごく久しぶりのことですが 友人から本を借りて読みました!
なんでしょう…!
この表紙をめくる胸の高鳴り…!
これが…心のアンチエイジング…?
コミックですが「山賊ダイアリー」と「ワカコ酒」もお借りして読みました!

「街を変える小さな店」はなんだかんだ感想文を書きました



11月


僕の叔父さんの喫茶店学 入門沼田 元気 , 堀内 隆志
小さな日陰の庭美しい部屋
ル・コルドン・ブルーの20の素材と41のフランス菓子ルコルドンブルー日本校
植栽大図鑑山崎 誠子
ときめくコケ図鑑田中美穂 , 伊沢正名
最新版 最高の植栽をデザインする方法建築知識
縄文人になる!水野 仁輔
絲的サバイバル絲山 秋子
絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか絲山 秋子


「最高の植栽をデザインする方法」
こんな要望/局面にはこの樹種!あの樹種!などと書かれている本を有難がるようになったら終わりだと再確認できました

「ときめくコケ図鑑」はいい本だったので買いました
あれはいいものだ

ル・コルドン・ブルーの本はとても素晴らしかったのですが フランス菓子の素地がすでにないと作れないレシピばかり
あと食感に関して「テクスチャ」という言葉がつかわれていたことが新鮮でした

絲山さんの本は友人からお借りした本
タフで酒好きで人見知りなのに
「たった一晩、一人でいただけなのに不思議なほど人なつこくなっている自分を感じる。」
という言葉には強烈に共感した



12月


明るい旅情池澤 夏樹
調理場という戦場斉須 政雄
書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト松原 隆一郎 , 堀部 安嗣
峠うどん物語重松 清
君がオヤジになる前に堀江 貴文


まだ読んでいるところ
小賢しい仕事術本が世にあふれるなか「調理場という戦場」の骨太で実直な姿勢はかっこういい
諍い肯定派の文章を読むのはおもしろい
(わたしは細かい争いなら起こさない/ア?そっちがやる気ならコイヤ派なので)

2010年頃から重松清作品で涙腺が崩壊し読書続行不可能!一時退却!というのを繰り返しているらしい
成長しない
まだ100ページも読んでいないが
ビミョーに遠い縁のひとを亡くした悲しみきれない悲しみのような…もやもやっとした気持ちを
晴らそうとしたり飲みこもうとしたり足掻く… どこまでも人間臭い話なのです…



今年の秋に彼の父が急逝されて通夜に参列させてもらったわたしには話が現実的すぎる
現実が物語として描かれていることに拒絶反応を起こすだろうか…
それともこの小説と寄り添うことができるだろうか…

フィクションはハウツー本のように「これをやったら悲しみが消えた!」という具合には役立たない本です
本の登場人物のようなやり方を選ぶヤツもいるし わたしが選ぶやり方もあるし ひとの数だけのやり方があるんだな そっか
と レンジが増えるような…

読んですぐは具体的な知の力としてではなくても 必要になったときは必要な姿に変形させて力にかえられる
そういう形のないエネルギーのようなものを蓄えられるのがフィクションだとおもう



以上75冊
プラスここには書いていないけど妹の本棚から借りて「1Q84」も読んだので合計81冊読んだことになります
あと雑誌だと料理通信をチェックするようになりました
レシピ本としてもグルメ情報誌としても使えて 食をめぐるトレンド全般を知ることのできるおもしろい雑誌です
わたしの人生にも専門にもかすりもしていないのにこんなにおもしろいと思わせてくれる本がたくさんある

来年も時間のあるかぎり読書はしたい



2014.12.12追記 「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」が抜けていたので追加