2014/02/10

「レトリック感覚」を読んでる途中だけど書きました

「レトリック感覚」のここがすごい

1. 比喩表現にただならぬ愛着がわく

比喩表現に性格を感じるようになった


使用されるシーンによる特徴…
分類のために詳らかになる出自…
それらを知るうち 比喩表現それぞれにキャラクターがあることに気づく

無生物どころか概念の擬人化という趣味の意味がついに分かってしまった


「~のような」を伴う直喩
見た目からわかる比喩表現が文章のリズムをくずす間抜けな存在だとおもっていたが
「~ような」を用いることで強引な表現を可能にする意外にトリッキーな性格なのだ


それに対し 流れを乱さないスムーズな隠喩
スマートな表現だとおもっていたが 著者-読者間に共通認識がないと成り立たない
とても繊細な性格だったのだ
とはいえ表現されるまで表現された対象間の共通点に気付いていなかった場合の鮮やかなまでの手際!
ハッとするような美しい表情をもつ子である


あまり聞きなれない換喩
語句を短くいいかえる字数上経済的なやり方からあふれる質実剛健っぷり
同種の語句を比喩で言いかえるため 比喩表現として認識されないくらいとけこんでいる
たとえば新聞の見出しは換喩でいっぱい
異なる種同士でしか成立しない直喩と隠喩とちがい同種の語句を言いかえられる唯一の存在


レトリック分類から消えたり換喩と混同されたり波乱の人生を歩んでいる提喩
この本では「適当とされるよりも大きな/小さな意味をもつ語を用いること」と定めてもらう
(よかったね…)
表現の抽象性をあげるのにかえって具体的な光景を著者と共有させるというミステリアスで根源的な比喩表現
すばらしいです
いままで「提喩」として認知してなくてごめん


ウソをつくこととイコールとして嫌われてきた誇張法
だが言語とはそもそも「嘘をついてしまうもの」であるという事実をあらわす正直者
そのくせ「ウソをウソとわかってもらう」という甘えたがりの表現
(でないとただのウソになってしまうので)
小悪魔ちゃんか


残る章は列叙法と緩叙法
あーどんな子なんだろう
わくわくする



2. 他の本をもおもしろくする

言うまでもないが上記を踏まえて読みかえす他の本がおもしろくならないわけがない!



3. 言語 文化に迫る

比喩表現の分類を再定義するうちに「そもそも言語や文化とはなんだろう」という本質に迫る内容になっている
もはやこれは言語表現をめぐるミステリーです
言葉や表現をおろそかにすることがどんなに退屈か!
あーもったいない マジもったいない

また読み終えたら追記するつもりです