どうも、rintaroです。
「岡村靖幸 結婚への道」を読みまして。
雑誌GINZAで岡村靖幸(以下、岡村ちゃん)が「結婚とはなんだ?」とひたすらゲストと対談したのをまとめた本です。
(この対談において"結婚"は籍を入れて国に夫婦と認められることをさします。)
岡村ちゃん、50歳。
愛の先に結婚があると信じているのに、「恋愛と結婚はちがう」とも言う。もう大混乱。
わたし自身は結婚に苦しんだのは大学卒業後の20代前半の頃、といまでは思います。
岡村ちゃんとまさにおなじ「なぜ結婚するのか?」という疑念がグラグラと煮えたぎり、結婚へのトキメキを素直に抱けませんでした。
いまも「結婚とはなにか?」に答えをもっているわけではないけど、「するならする。しないならしない」程度の気持ちに落ち着きました。
以前ほど結婚の意味が分からないことは目の仇にしていません。
ただ、結婚するなら相手も自分も幸せな生活をしたい。
どうやったらできるだろう?
それを考えるならやはり「結婚ってなんなんだ?」って避けては通れない。
「結婚への道」がおもしろくないわけがなかったんです。
幸せでいるための悩みにしておく
本を読んでいて、悩みを大きく広げすぎたのも結婚できなかった一因だと思いました。あのね、自分が結婚しない理由を、人類何万年の歴史や賛同できない日本の古い結婚制度のせいにしても!
だれも幸せにならないんです!
こういうの坂本龍一だけじゃなかったのですが。
「現在の日本の結婚制度は賛同できない」と反骨精神をキリッと語っておいて「籍はいれました」とかペロッと言いやがって。
(あ、この人たちの"パフォーマンス"に踊らされちゃいけない)とも思いました。
彼らは坂本龍一なら"坂本龍一"というキャラを演じるのも仕事のうちで、それを真に受けていると、死ぬぞ。しかしそれもまた一興かもしれぬ。
悩みの根源まで辿るのはいいことだけど、必要以上に大きくすると本来の目的からズレてしまいます。
悩むな、とは言わない。
幸せでいるという本来の目的のために、じぶんのコントロールできる範囲の事柄で悩みたい。
"どんな人と結婚すべきか"はただの話のネタだ
ゲストごとで見事にバラバラだったのが、どんな人と結婚すべきかという見解。尊敬できる人。
世界を拡げてくれる人。
興味を共有してくれる人。
嫌な部分の見当たらない人。
知識はなくても好奇心旺盛な人。
フィットする、それを高められる人。
ほんとそれぞれ。
これは他人の答えが自分の答えにならないことなのかもしれないと思いました。
でも話題にしたら一番おもしろいのはコレだよね。
価値観やセンスがモロに出るからかな。
"逃避のための結婚"
おすすめできない結婚として何回か話題になったのが、"逃避のための結婚"。「逃避としての結婚は勧められないな」と言ったのは園子温だったけど、堀江貴文も似たことを言っている。
抜書を補足すると、不安だから結婚するって人は経済的安定を求めているだけで相手を見ていないという話。
その点、現代の結婚について田原総一郎はちょっとロマンチック。
昔とくらべれば、女性は愛で結婚を選択できるようになったのかもしれません。
現実は堀江貴文の言っているケースが大多数なんじゃないかと。
わたしはなにかのために、なにか欠落を埋めるために、結婚するくらいなら結婚しない。
これはずっとそう思っている。
話すこと
"話す"ことは、夫婦を続けるのに必要だと多くのゲストが言う。思っているだけでは伝わらないから、話して話して話さなければならない。
うん。知ってた。
知ってるけど、それを続けるのがいかに難しいかということなのでしょう。
実際わたしは話さず自己解決することを美徳と考えていたフシもあって、話す努力の少ないひとだったと思います。
不満を話すとそれがルールになって相手の足枷になる、と思うと心底イヤだった。
そもそもわたし自身は、自分が納得して望むことならやるけど約束事として強制されるのはだいきらいで。
当然相手にも何かを強制することになるくらいなら自己解決する、という方針でした。
それが、ふと、この孤高の美しい自己解決が「たいした成果物じゃないのでは?」と首をかしげた時があって。
ふたりで話したほうが良い方向へ進める気がします、たぶん。
やっとそう思えるようになりました。
結婚は安定か
クリエイティブな仕事をしている岡村ちゃんだから、創作と結婚が両立するのかという疑問も死活問題。創作意欲が必要とする新鮮さや変化の連続と、安定の権化ともいえる結婚は相容れないのではないかという。
これはパートナーにどんな人を選ぶかと同じように、それぞれのやり方があって。
パートナーがサポーターやインスピレーションの泉になる人もいるし、やはり創作に制約が出た人も。
なんにせよ変わらざるをえない、というのは共通。
それで、岡村ちゃんも繰りかえし言う「結婚=安定」って前提。
ホントにそうか?
結婚は、夫婦を安定させるための変化の連続なんだと思います、私は。
強固な地盤に安定した家を建てるようなものではなく、一緒に乗った船を安定させて航行させるような。
夏木マリの言葉がストンと腑に落ちました。
まあ、この感想は結婚したこともないヤツの甘い理想論だということで。
本はおもしろいのでお時間あるときにぜひ。
岡村靖幸 結婚への道
抜書のまとめはこちら。 ぬすみがき