2015/07/10

運命に乗る支度


運命などというものはない。
都合のいい偶然をピックアップして運命とはしゃいでいるだけで、すべては等しく偶然にすぎない
運命とか、バッカじゃないのと。


よくできた偶然もあるとは思う。
奇跡、とかありがちな言葉が出てしまうような。

そもそも人間はいくつくらいの偶然を経験するのか。
思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」によれば、

人は平均して一秒に一度なんらかの事象を経験する。とすれば、三十五日で百万の事象を経験することになる。 したがって、あることが百万にひとつの確立で起こるとすれば、だいたい一か月に一度は起こることになる。

「思考のトラップ」 デイヴィッド・マクレイニー p138


つまり万が一の"奇跡"すら月に10回は起こりうる回数のイベントが繰りかえされている。
意味がないと見做して記憶(もしかしたら認識すら)していないだけだ。



それでもひとつの偶然に心を動かされて人生を変えてしまったとしたら。
その人にとってその偶然は運命と呼ぶしかないんじゃないだろうか。

そういう意味では運命はあると言われても仕方ない。
運命はある、という人はそういうことを言っていたのかな。


運命を信じない人に恋は訪れないんじゃないか。
恋は人だけじゃなくて、生き甲斐になりうるすべてとの恋だとしたら、できるだけ落ちたい、恋に。

いま運命を見つけたわけじゃないけど、出会ってから運命に乗る支度をしても間に合わない気がする。
初期衝動に賭けられるのもおもしろいのではないか。