2012/11/02

藤村龍至さんの講演会にいってきました

去る、10月31日。

名古屋で藤村先生が藤村先生の話をされる機会があるとのことで

わたしみたいな造園外構業者のオバサンが
未来ある建築系学生から席を奪うことに葛藤しましたが
ええい!席取りゲームで負けるようなヤツは知らん!ということで


藤村先生の「予習は不要」というツイートに励まされ行ってきました
そのとおりにとてもコンパクトに そのぶん非常に濃くまとまっていました

おかげで書ききれないほどのメモがあるのですが
書きたくて仕方がなくなった3点だけまとめます



1. (印象だけど)メタファを使うのが巧み

説明や講演会の中でもメタファ(比喩)的表現のことではないです

プロジェクト内での企画や役割を
他のスケールでの出来事や役職に例え
実験を行い結果を得ているような印象でした


当然メタファで分かりやすさや他者への伝わりやすさが向上していること
さらに自分のすでにもっている能力や技術を異なる分野でいかしたり
逆にじぶんのフィールドに引き込んだりすることに役立っているように感じました


初代ドイツ皇帝のオットー・フォン・ビスマルクの言葉に
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」※1

というのがありますが
歴史に学ぶ人というのはよりメタファを使いこなす人のことであるのかなぁと…



2. 設計は他者との意思決定の繰り返し

この講演会でわたしがいちばんすきだった言葉です
そう ほんとに そのために図面や模型や言葉を存在させなければなりません…

おもえばどんなビジネスも繰り返しの回数こそ違えど
他者との意思決定の繰り返しですね


わたしの仕事(造園と外構の設計施工)はまずまず回数が多い気がしますが
建築の比ではありません

設計の能力とはほんとうに複合的な能力ですね


コミュニケーションに拘る(増やしたり質を向上させてりする)ことが
よい建築をつくる一番の方法なのか

質問させていただきましたがこのことから考えてみれば
自明だったのかもしれません



3. コミュニケーション/コミュニティと設計

告白すると わたしががっつり読んでいる藤村先生の本は

コミュニケーションのアーキテクチャを設計する―藤村龍至×山崎亮対談集 (建築文化シナジー)コミュニケーションのアーキテクチャを設計する―藤村龍至×山崎亮対談集 (建築文化シナジー)
(2012/07)
藤村 龍至、山崎 亮 他

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のみでして…
わたしの中で藤村先生はコミュニティのイメージが強かった

なので話がこのあたりに差しかかったときは
耳が熱くなるほど拝聴に力がはいってしまいました


それで全体を考えなおしてみると藤村先生は一貫して
よりコミュニケーションのとりやすい方法
よりコミュニティがつくりやすい方法
を選択しているとおもいました


超線形設計プロセスも
インプットされた条件がどんなふうに統合されたのか
他者にも分かりやすくなる設計手法
と言えます※2

会場で出た「環境や緑化についてどのようにお考えですか」(意訳)という質問に対しても
「環境は問題として広げにくいので財政から切り込みたい」(意訳)
といったように答えていらっしゃいました
問題として共有することでコミュニティがつくりやすいということでしょう


最近じぶんがなにか企画をやるときは
同時にそれを実行するコミュニティ自体をつくっていることを意識することが多く
より良いコミュニティをどうつくっていくのか
すこしヒントを得たような気がします

最近わたしが設計しているのはそういうことかもしれません



※1 つい最近サイコパスで知りましたすみません…
※2 藤村先生は超線形設計プロセスのメリットとしてちがう3点をあげられていますのでわたしの考える勝手なメリットです