口座にいれた給料が流れる水のように引落し(クレカ)されています
干上がる資金
溢れるスリル
そんな資金不足のなか、千葉へ行ってきました。
建築系の方々から特別に評判のいいホキ美術館 とても楽しみでした
土気(とけ)駅から歩いて15分くらいだったかな 2キロはない
道中の寒さもさることながら 入館料1,500円も震えた
ギャラリー1
あのよく写真でみるキャンティになっている部分がギャラリー1
踏みこんで右をみるとずらっと絵画
とても長い廊下のような空間で 左右の壁にひたすら絵がかかっている
右の壁は下半分ほどがガラスになっていて廊下に日射しと木の影がおちていた
絵の鑑賞をしようとおもうと邪魔にはならない
公式サイトで宣言している ※1
昭和の森に隣接した敷地という、自然の一部となれる場所を選び、自然光を展示空間へと導き入れることで森の中を散策しながら絵画を鑑賞しているような状態を作りました。というのはとても快適なかたちで実現されているとおもった
日射しが暖かく季節を忘れるほど穏やかで集中できる
奥に進むとだんだん廊下が狭まっていて 絵画と距離がつまる
強制的に絵に放り込まれるようだった
それで思いだした「実空間での展示の底力=細部と全体のシームレスさ」
とにかく絵をみるときは 近づいてディティールをみては質感や色をなしている筆致を確かめたり
離れてモチーフや構図の意味を考えたりすることの繰りかえしである
シームレスにディティールと全体を交互に鑑賞できるのは実空間がいまのところ断然良い ※2
実際の空間でみる意味や価値を実感できる空間だった
写実主義の絵について
はっきり言うと「写真でいいじゃん」と思っていて そんなに好きなジャンルではない
なぜ絵で描くのか
それをすこし考えながらみた
基本的には どうやってこんな絵を描くんだ?! 人の技か?! の連続
その中でも山間で光る霧が描かれている絵があって
あ この人はわたしと全く違う密度で霧をみているのだろうな とおもった
ぼんやりと「わー霧が光ってキレー」などと言っていては 何年霧を見つめても光る霧をキャンバスに再現するのは無理
対象が霧やアウトプットが絵画じゃなくても構わないが 密度の違う眼差しを持つというのは第一歩だろうなと
企画展「写実の可能性と大いなる挑戦」
谷川俊太郎を描いた野田弘志氏の作品に寄せられた谷川俊太郎本人のコメントがかっこよかった
驚嘆すべき技術によって再現されているがその達成を促した情熱は理性に属していない。絵をみると谷川俊太郎の言いたいことがすごくよく分かる
(そういえば絵の谷川氏が着ているTシャツは21世紀美術館の図面柄だとおもったのだけどどうだろう)
五味文彦の樹木の絵がとてもよかった!
松田一聡の緻密な線もほれぼれしました
と、まあ絵も楽しんでいた頃。
階段を下り吹き抜けになっているギャラリー6を見終えて振りかえったところ
次の真っ暗なギャラリーが蹴込みが透かしになっている階段から細切れに見える…のがぞくぞくしました
真っ暗になっているギャラリー8に移動すると明るいギャラリー6がまた見えてはっとするくらいよかった ※3
建築自体が 絵を鑑賞するときは白いプレーンな空間として存在するのに対し
空間体験としては多様で飽きない
全体の明暗差や解放感の変化 細部を見ても手摺りはにゅるっとクセがある
とてもたのしかった
写実主義の絵の横でヘタなスケッチをするのは苦行でしたほんと…
また時間のあるときに行きたい
※1 ホキ美術館について より
※2 写真展「日本の美しい景観」展 の大山顕の言葉より
※3 サイトに写真 がありました